しばりつけ
わたしは、しばりつけられている。
そう、実家という檻に。
一人暮らしをして、彼氏を呼んではいけないのはなぜ?
19にもなって、男の1人や2人いたっておかしくないはずなのに、どうして頭ごなしに否定されなきゃいけないのだろうか。
貴方達だって、他人同士分かり合って愛し合ってそこにいるのでしょう?
わたしの愛する人を見つけて、何が悪いんだろうか
わたしが最初から東京の大学を選んでいたら、4年間の一人暮らしを選んでいたら、同じことを言われていただろうか?
違う。きっと、違う。
わたしは、20になるのに、実家という檻にずっと縛られ続けてる。
ずっと逃げたくて逃げたくて逃げたくて
見つけた居場所を、どうして奪われなきゃいけないのだろうか。
貴方達が心配する意味もわかる。けれど、わたしは貴方達が思うよりも、もう大人なんだよ、子どもだけど、思ってるよりはもう大人なの
わかってよ
夏の長い帰省は、小言と嫌味を言われ続ける。これだから、夏はイヤなんだ。
唯一味方だと思っていた母にも、怪訝そうな顔をされる。貴方はわたしのことを分かっていてくれていると思っていたのに。
そんなに、わたしが、彼が信用できないですか?
本当はわかってる、能力がなくて、才能がなくて、ワガママで、どうしようもない自分が1番いけないってこと。
わたしがいなくなれば、こんなに苦しめることもないのにね
そんな夜に、貴方はいない